40代の転職に「科学的な適職」は参考になったのか?(後編)
はじめに
40代で転職して1ヶ月。転職先を選ぶにあたって参考にした書籍「科学的な適職」と、そこにある「仕事の幸福を決める7つの徳目」についがどのくらい参考なったのか振り返っています。前編の記事はこちら。

まず結論
結論から言うと「参考になりました」です。20年近いキャリアを通じて社会的欲求や承認欲求がそれなりに充足された40代で、自己実現欲求(さらなる成長)を満たすために必要なのは「自由」と「貢献」。この2つが、40代の転職における「仕事の幸福度」を左右する徳目だと思いました。
仕事の幸福を決める7つの徳目
7つの徳目の内容
あらためて7つの徳目を列挙してみました。もちろん、これら7つすべてあれば最高ですが、そんな100点満点の転職はまずないので、この中でも優先度をつけることが大事です。
- 裁量権はあるか(自由)
- 進歩している感覚はあるか(達成感)
- 攻撃型or防御型タイプは合っているか(焦点)
- 内容と報酬は明確か(明確)
- 業務内容はバラエティに富んでいるか
- 自分と似た人が多いか(仲間)
- 他人の生活に影響を与えるか(貢献)
過去の転職との比較
20代・30代の頃の転職と、40代の転職で、「仕事の幸福度」を左右する徳目を比較すると以下の通り。40代では「自由」と「貢献」、過去の転職では「達成」「明確」「多様」が仕事の幸福度を決めていた気がします。
20代・30代 | 40代 | ||
自由 | その仕事に裁量権はあるか | ○ | |
達成 | 前に進んでいる感は得られるか | ○ | |
焦点 | 自分のタイプ(攻撃型 or 防御型)に合っているか | – | – |
明確 | 仕事の内容や報酬は明確か | ○ | |
多様 | 業務内容はバラエティ(刺激)に富んでいるか | ○ | |
仲間 | 自分と似た人が多いか | – | – |
貢献 | 他人の生活に影響を与えるか | ○ |
「自由」と「貢献」がなぜ重要か
自由:その仕事に裁量権はあるか
「裁量」さえあれば、その他の徳目は自分自身でなんとかできます。それを言ってしまうと徳目の比較にならないのですが(笑)ただ、経験上はこれがリアルです。若いときの転職でも「できるだけ裁量が欲しい」とは思ってましたが、40代のそれとはだいぶ違います。「貪欲に学ぶ謙虚さ」のほうが勝っていました。
40代で求める「裁量」とは、わかりやすく言えば「幹部候補」や「上位の役職者候補」になるのですが、そのレベルで得られる裁量が約束されていれば、「達成」や「多様」といった徳目は自身で機会を創り出すことでなんとかできます。
仕事の内容や報酬に対しても、ある程度は意見が言えるようにもなります。7つのうち多くの徳目を無視できるくらい「裁量」というのは仕事の幸福度を大きく左右すると思いました。
貢献:他人の生活に影響を与えるか
「裁量」の範囲で制御できないのが「貢献」です。この「貢献」が満たされるかどうかは、働く企業の理念やミッション、社長の人格といった最上位思想が「他人の生活へどのくらい影響力を持っているのか」と「自身の価値観に照らして強く共感できるか」この2点で推し量れると思います。
いくら裁量があるといっても、従業員として雇用される以上、憂鬱な事もあれば、フラストレーションが溜まることもあります。そんなときでも、この「貢献」が満たされていると、仕事の幸福度に大きなマイナス影響はないと思いました。
「焦点」と「仲間」は重要じゃない
上記の表にもあるとおり、20代・30代の転職でも、40代の転職でも、「焦点」と「仲間」は仕事の幸福度を左右しないと思っています。これは、どんな業種や職種であっても、攻撃型になるときもあれば防御型になるときもあるからです。
私は、特例子会社の代表を通じて障害者雇用に従事していたわけですが、一見、「守り」の仕事に見えるかもしれません。ただ、実際は事業収益を求めて攻めに転じた年もありますし、景気が悪化すれば、現状維持に固執した年もあります。
「仲間」も同じです。どんな会社にいっても、似た人もいれば似てない人もいます。変化のスピードが早く、多様化が進む現代においては、「焦点」や「仲間」といった徳目は前時代的に感じます。
さいごに
以上、今年の4月に10年ぶり5回目の転職をした私が、「科学的な適職」と、そこにある「仕事の幸福を決める7つの徳目」について振り返ってみました。もし転職タイミングが1年遅かったら、今回書いたような結論にはなっていなかったかもしれません。
そのくらい時代の変化や多様化が急速に進んでいるのが現代です。そう考えると「自由」と「貢献」の2つというのは環境変化に強いです。つまり、年代に関係なく、この2つが仕事の幸福度を左右する普遍的な徳目なのかもしれません。