人事経験ゼロのマーケターが取り組んだ障害者雇用📌

特例子会社の社長奮闘記

人事経験ゼロのマーケターが取り組んだ障害者雇用

はじめに

2013年の12月。「特例子会社」なんて言葉も知らなかった私が「特例子会社」の代表取締役に就任しました。障害者雇用はおろか人事経験もゼロ。そこから丸7年をかけて障害者雇用、特に発達障害者の雇用と戦力化を進めてきました。

その必要性と認知の高まりを背景に発達障害者支援法が改正されたのが2016年なので、それ以前より試行錯誤を続けてきたことになります。これまでも、複数のメディア取材や外部講演活動を通じて取り組んできたことを発信してきました。

今回、2013年12月からの7年間で私が実際に取り組んだことを「特例子会社の社長奮闘記」として書き残したいと思いました。これから障害者雇用や特例子会社に関わる方が「そのまま真似て実行できる」ことを意識して、具体的にわかりやすくブログに残しておこうと思います!

障害者雇用に取り組む上で前提となった考え方

障害者雇用に生かしたマーケティング思考

私の専門はマーケティングや事業開発です。グリーグループで特例子会社の代表を務めていた7年間も、本社の事業部門でマーケティングの責任者を兼務していました(兼務していることが障害者雇用にとってもプラスであったという話しは追って書きたいと思います)。

2013年12月の就任当初、人事も障害者雇用も未経験の自分の唯一の拠り所は「マーケティング思考」でした。極論ですが、世の中にいるマーケターのセカンドキャリア・パラレルキャリアとして「障害者雇用」に取り組む人が増えれば、もっともっと障害者が活躍できる社会が実現できると思っています。

マーケティング思考における定義

マーケティング思考の前提で定義しておかなくてはいけないのが、以下の3つです。

  • 商品
  • 売り手
  • 買い手

この3つを障害者雇用においてどう定義づけたのか。結論から言うと以下になります。

  • 商品 = 特例子会社
  • 売り手 = 特例子会社の代表である私自身
  • 買い手① = 特例子会社で働く社員
  • 買い手② = 特例子会社に仕事を発注してくれる本社及びグループ子会社

特例子会社の代表として「その会社をどう魅力的に作り上げてプロモーションしていくか」という考え方になります。魅力的というのは「働く障害者にとっての魅力」と「仕事を発注する本社やグループ子会社にとっての魅力」が両立する必要があります。そうしなければ持続可能な会社経営はできません。

全体の構成

私が代表に就いたタイミングでは、すでに特例子会社は設立済みであり社員も在籍していました(創立は2012年)。ですので、今回は「既存の商品のマーケティングを行う場合」という前提で考えています。一般的なマーケティング思考に沿うと「売り手」のマーケターは以下のようなプロセスを踏むことになります。

  1. 「ゴール」の設定
  2. 「市場」の現状把握
  3. 「商品」の現状把握
  4. 「買い手」の現状把握
  5. 「買い手」の課題抽出
  6. 「買い手」の課題解決に向けた「商品」の改善
  7. 「買い手」の課題解決に向けたプロモーション

これを「特例子会社を通じた障害者雇用」に置き換えると

  1. 経営目標の設定(定量目標や企業ビジョン)
  2. 障害者雇用の基礎知識や他社の先行事例を把握
  3. 特例子会社についての現状把握(オフィス環境や人事制度、福利厚生等)
  4. 特例子会社で働く社員の現状把握
  5. 特例子会社で働く社員の課題抽出
  6. 特例子会社に仕事を発注してくれる本社及びグループ子会社の現状把握
  7. 特例子会社に仕事を発注してくれる本社及びグループ子会社の課題抽出
  8. 特例子会社の改善(合理的配慮の強化、社内制度の充実、採用、人材育成など)
  9. 改善された特例子会社のプロモーション(業務の受注拡大)

こんなプロセスになります。

さいごに

これから当時のことをじっくり思い出しながらより具体的な中身を書いていきたいと思います。変化の激しい時代ですが、色褪せることなく、多くの人に参考にしてもらえたら嬉しいです。「特例子会社の社長奮闘記」をお楽しみに。