特例子会社の採用面接では何を見ているのか
はじめに
私は、特例子会社の代表としてすべての採用プロセスに関わっています。今回は、最終面接で見ているポイントについてお話したいと思います。
発達障害者向けの就労移行支援事業所
特例子会社であるグリービジネスオペレーションズ(以下、GBO)の採用は、90%以上が就労移行支援事業所からの紹介です。就労移行支援事業所とは、障害のある方の一般企業への就職をサポートする通所型のサービスで、特に発達障害者向けではKAIENさんやLITALICOワークスさんなどが有名です。
GBOに入社を希望する方は、就労移行支援事業所に通所していることが前提になるため、基本的な自己管理能力やビジネスマナー、PCスキルが身についています。そのため、筆記試験もないですし、面接で「フルタイムで働けるのか?」と質問することも滅多にありません。第一に、就労移行支援事業所との連携が重要になります。
面接で何を見ているのか
面接では「能力を発揮してもらうためにどういった配慮が必要か」を最優先に確認します。それ以外は健常者向けの面接と変わらず、以下3点を確認します。
- 企業ビジョンへの共感度合い
- 持っている経験や能力・配慮すべき点(強み弱み)
- どんな業務で活躍したいか(成長意欲)
企業が必要としている人材や能力は日々変化しています。これは特例子会社であっても同じです。障害者手帳を持っていて、何かしら能力があれば採用されるというわけではなく、企業のニーズとの相性こそ「ご縁」につながります。
企業ビジョンに込めた思い
「企業ビジョンへの共感度合い」については、私の口からその真意をお伝えし、印象や感想を聞いています。GBOの企業ビジョンは「能力を最大限に発揮でき、仕事を通じ自律的に成長し続けられる会社を創る」です。もう少し詳しく言語化すると以下の3つです。
- 誰もが、公平にその能力を発揮できる機会を得られる会社
- 誰もが、受け入れ困難な価値観を無理に強制されない会社
- その上で、自らの意思と努力を以て成長を持続できる会社
ここでいう「能力の発揮」というのは、決められた時間枠の中でがんばって能力を出し続けるということではありません。自由度の高い働き方の中で単位時間あたりの生産性を最大化するという意味です。
本人が苦手な仕事はやらなくて済むようアサインを調整したり、体調がすぐれず十分にパフォーマンスがでないときは休めばいいし、仮眠もとればいい。そういった配慮が前提にあるという話しも面接ではしっかりお伝えするようにしています。
さいごに
面接は1時間以上することもあります。短い時間でお互いのことを知るには限界がありますが、とにかく持っている能力や興味はどんどんアピールしてほしいです! 私も相手のことをよく知りたいし、私自身やGBOのこともよく知ってほしい。
面接で応募者(ADHD特性の方)が自己PRで見せてくれた自作イラスト。スマホだけでここまで描けるなんて知らなかったのでホント感動😳 pic.twitter.com/pKEpW0Wdef
— 福田智史 / Satoshi Fukuda 🌈 (@satoshifkd) June 20, 2019
面接時に問題がなくても、入社後に現場で得られる配慮に不足があるとお互い不幸になってしまいます。内定はゴールでなく通過点。その先の長い時間を一緒に歩んでいけるかを確認する一期一会の機会でもあります。