ぼくって発達障害? と聞かれたら

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「ぼくって発達障害?」と子どもに聞かれたら

はじめに

2018年の12月にブルーバックス (講談社 – 現代ビジネ)に掲載された記事のタイトルです。当時はSNS等でも拡散され、私もすぐ読みました。実際の記事には「そもそも発達障害とは」の部分から詳しく解説されています。

「ぼくって発達障害?」と子どもに聞かれたら、どうこたえますか(からだとこころ編集部)
発達障害というと、現在は、ADHD、ASD、LDなどの診断にそって対応することが一般的ですが、信州大学の本田秀夫医師は、発達障害は複数のタイプが重複しやすいので、まず発達障害の全体像というものを理解し、それに加えて個々の特性へと理解を広げていくことが大切だ、といいます。では、その「発達障害の概要」と、「特性の重複」とは...

発達障害は個性のひとつ

「発達障害は個性のひとつ」多くの書籍やメディアで言われていることです。昨年話題になった「繊細さん – HSP(Highly Sensitive Person)」は発達障害と別物とされていますが、その線引はあいまいで、見た目では判断がつかないという意味では発達障害と似ています。

また、繊細であることは誰のせいでもなく、5人に1人はいる先天的な「性格」であり「治療する」とか「克服する」といったものでないと書いてあります。この点についても、発達障害と似ていますよね。

発達障害がマイノリティなのは今は昔

発達障害者は「コミュニケーションが苦手」とか「人間関係でよく摩擦を生む」と言われます。一方で、健常者か障害者かに関わらず、人間の価値観は十人十色であることを考えれば、円滑な人間関係を構築するのは簡単なことではありません。

「コミュニケーション能力が高い人」というのは、相手の心中を察する能力や、言いたいことを我慢するストレスコントロール力が高い人とも言えます。特に、同調圧力の強い日本社会を生き抜くには必要不可欠のスキルだったかもしれません。

 ※クローズアップ現代+ インタビュー

これからは多様な価値観が尊重され、働き方や学び方の選択肢もどんどん増えていく時代です。それは、発達障害のせいで埋もれてしまっていた個性や能力が花開く機会が増えるということ。発達障害やHSPを「マイノリティ」と見ていた側の人たちが「マイノリティ」になる時代です。

「ぼくって発達障害?」と子どもに聞かれたら

どんな子にも長所と短所があります。たまたま置かれた環境で、突出して違った部分が「短所」として目立ってしまい、そこから「発達障害ではないか?」と思い込んでしまうことがよくあります。それは本当に「短所」なのでしょうか?

近くにいる大人たちが、「短所」を気にかけるよりも「長所」を見つけてそれを本人に自覚させるコミュニケーションに時間に費やせば、その子の短所は「障害」ではなくなります。多様性社会においては、その長所が圧倒的な強みにな変わるはずです。

これまでの日本社会は「オール3」をとれる人を定型発達と呼び、5と1が バラけてる人を発達障害と呼んでいたのです。定型発達向けに最適化され、多様性のかけらもない学校では「5」の力さえ発揮できない。 一方、TwitterやInstagram、TikTokのようなSNSの世界には「多様性しか」ありません。だから「オール3」の人は誰も注目しない。人気者は何か1つでも5のあるひと。リアルの社会も間違いなくそうなっていきます!

さいごに

ブルーバックスの記事にも「みんなと仲良く」を求めないと書いてありましたが、私が最後に紹介したいのは、「学校に居場所がない子に言ってあげられることはありますか?」と聞かれたザ・ブルーハーツの甲本ヒロトさんの言葉。

「居場所あるよ。席あるじゃん。そこに黙って座ってりゃいいんだよ。友達なんていなくて当たり前なんだから。友達じゃねぇよ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。趣味も違うのに友達になれるわけないじゃん。山手線に乗ってて、『はい、この車両全員仲よく友達ね』って言われても、『いや、偶然今一緒に乗ってるだけなんですけど』って。友達じゃねぇよ。ただ、友達じゃないけどさ、喧嘩せず自分が降りる駅まで平和に乗ってられなきゃダメじゃない?その訓練じゃないか、学校は。友達でもない仲よしでもない好きでもない連中と喧嘩しないで平穏に暮らす練習をするのが学校じゃないか。だからいいよ、友達なんかいなくても。」 – 甲本ヒロト

私がザ・ブルーハーツの曲で一番好きなのは「青空」です。

ザ・ブルーハーツ 青空

生まれた所や 皮膚や目の色でいったいこの僕の何がわかるというのだろう♫